ポタラカ

インドネシア・バリ島の民俗芸能であるガムランはあまりにも有名。その華麗な舞踊と音楽に魅了されている人は多い。しかしその中でも仮面舞踊は日本で目にすることが少ない。その仮面舞踊を中心に演じるのがこのポタラカというグループである。このポタラカは日本人ながら全員がバリ島に渡りバリでも有数の舞踊家・演奏家に長期間の指導を受け学びとってきた者達で構成されている。通常ガムランは20人以上の大編成で演奏されることが多いが、彼らはそれをたった3人で行う。まずは踊り手、新作では歌舞伎に使われる早変わりの要素を取り入れ仮面替えによる一人多役をこなす。そして演奏者の中で踊りにとって最も重要なのがクンダンという両面太鼓。踊りとクンダンが一体となった時、まさに仮面に息吹が吹き込まれる。さらにバリでは最も神聖な楽器ともいわれるグンデル。青銅の鍵盤から繰り出されるその音があたかもキャンバスに色が塗り込められてゆくかのようにあざやかな色彩を着ける。このような3人が演じるのはバリ古典仮面舞踊のエッセンスを凝縮させつつ生かしながら、独自の世界を創るオリジナル作品である。バリでもセリフを用いた仮面舞踊劇が多く演じられ楽しまれているが、このオリジナルは日本語を使い、多くの人達に楽しんでいただこうというもの。特に喜劇が彼らの真骨頂。題材を古典落語や童話に求めて焼きなおしたその作品は公演の度に人々を笑いの渦へと導く。

ポタラカ略歴

バリの仮面舞踊劇を基としたオリジナルの仮面舞踊劇を演じるグループ。
1997年、バリ修行を終えて帰国した小谷野哲郎と和田啓を中心として結成される。当初は尺八やサックス、ベースなどバリ・ガムラン以外の楽器とのコラボレーションなどで新作を発表していた。その後、現在の創作仮面舞踊劇のスタイルが固まり、関東周辺を中心に公演を重ねる。2000年6月、名古屋公演を盛況の内に終わらせ、2001年には東海ツアー、九州ツアー、2002年春、九州ツアー、6月バリ芸術祭には「南洋神楽〜真夏の夜の夢」を上演予定。メンバーはそれぞれバリの伝統社会の中で訓練を受けてきたが、日本の伝統芸能のほとんどは元をたどれば外来のものであったように、グループ結成以来、日本人としての表現を求めて活動を続けてきた。バリの伝統に基づいていながらもすでに「Potalaka」独自の表現となっている自分たちのパフォーマンスを「南洋神楽」と名付け、独自の境地を開拓、多数の支持者を得ている。

南洋神楽

バリの仮面舞踊劇を基にした創作芸能。
1人の演者が次々と仮面を取り替えながら、舞踊・喋り・唄を交えて1演目中6〜7役を演じ分ける。
音楽はバリの太鼓クンダンやガンサ・ゴングといったガムランの中心的な楽器に加え、様々な民族楽器を用いることもある編成でコンパクトかつダイナミックなアンサンブルを作り出している。音楽と仮面演者のからみも精細に作りこまれており、インプロビゼーションの要素も多い中、決して崩れることのない一線を保つ。日本の伝統芸能が外来の芸能にその出発点が求められるように、バリの伝統芸能であるガムラン・仮面舞踊劇を 独自のものとしてアレンジし、「南洋神楽」という新たな芸能に作り上げている。

小谷野哲郎(こやのてつろう・仮面舞踊)
東京・中野生まれ。
東海大学在学中よりバリ島のサウンドスケープ研究の傍ら、バリ舞踊を始める。
東海大学大学院修了後、1995年よりインドネシア政府給費留学生(ダルマシスワ)としてインドネシア国立芸術高等学院(STSI)デンパサール校舞踊専攻科に留学。学外でもA.A.グデ・オカ・ダラム氏、イ・マデ・ジマット氏、I.B.オカ・ワルジャナ氏ら、現代バリ舞踊界最高峰クラスの舞踊家達に師事し、研鑽を積む。バリ島各地のガムラングループと共に舞踊の奉納公演に多数参加。帰国後、日本では数少ない男性バリ舞踊家として活動を開始。1997年にクンダンの和田啓と共に「ポタラカ」を結成し、バリ仮面舞踊劇を基礎とした創作舞踊劇を次々に発表。その伝統に根ざしつつ、かつ斬新な表現形態によって高い評価を得ている。2000年秋には自ら興したレーベル「JukunMusic」より現在バリNo.1の呼び声高いガムラングループ「Genta Bhuana Sari」の初CDを発表。話題を集めている。

 

和田 啓(わだけい ・ 作・演出・クンダン)
東京・浅草生まれ10才の頃、ジュニアオーケストラに参加、パーカッションを学ぶ。ほぼ同時期から“江戸里神楽”の松本源之助氏に入門、笛・太鼓/獅子舞などを学ぶ。1991年よりバリ島に渡り、A・A・グデ・バグース・マンダラ氏、イ・ワヤン・ガンドラ氏の両氏に師事。92年国際交流基金派遣によるインドネシア公演に参加。94年ハンガリー・ブダペストにて公演。95年能楽や民族楽器とによる「日本の伝統と現在」ヨーロッパ5カ国公演に参加。96年映画「人間椅子」(江戸川乱歩原作・水谷俊也監督・清水美砂主演)の音楽にガムランを取り入れたオリジナルを作曲。97年子供狂言「奥阿賀」(野村万之丞作)の音楽を担当。98年2月国立能楽堂企画公演・新作狂言「彦市ばなし」の音楽を担当。同年9月奄美島唄とのジョイントグループ「天海」によりキューバ公演を行う。99年8月ルーマニア〜ドイツにて「ファウスト」の公演に参加。2000年秋には三島近代能楽集でのヨーロッパ4カ国公演の音楽を担当。2001年2月21日、松本泰子(ボーカル)と常味裕司(アラブの弦楽器“ウード”)らと共に結成したグループ「RabiSari〜ラビィサリ」のデビューアルバムがイーストワークスエンターテインメントより全国発売される。同年秋、自らが音楽監督を務めた「ベニスの商人」(主催:欧州舞台芸術交流委員会/演出:イオン・カラミトル)は読売演劇大賞作品賞を受賞した。

 

主な作品
「王様の耳はバビの耳」

・・・・・豚の丸焼き・バビグリンの大好きな王様はある日気がついてみると耳が豚バビになってしまっていた。占い師に占って貰うとそれはバビの祟りで自慢の長髪を切らなければ解けないと言う。村人達に知られないうちに呪いを解こうと床屋を呼んで散髪となったのだが、この床屋は村でも有名なおしゃべりだった・・・・・

「ウブドのツナ」

ご存じ「目黒のサンマ」を元にしたお話し・・・・・一時の栄華も今は昔、古都クルンクンも今では観光客もほとんど訪れることのないタダの地方都市になりさがってしまった。さてそのクルンクンの王様(ラジャ)が日本人の妻を娶ろうと観光客の集まる内陸の町ウブドへと従者を連れて出かける。しかし従者が調べ歩く間一人待たされ、腹を空かした王様が近くの家に食事を貰いに入ったところ出てきたのが「マグロの刺身」という食べ物。そのあまりのおいしさに日本人妻のことなどすっかり忘れ急いで王宮に帰り同じものを家来に命じて作らせるが・・・・・

「ポタラカの妖怪ミステリーツアー」

・・・・昔は妖怪達も人間達と共存していた日本。いつしか人々は妖怪の存在を忘れ、自らの欲望の為に自然を平気で破壊するようになってしまった。そんな住みづらい日本を離れ、妖怪達の楽園バリ島へと移住を夢見た妖怪が3匹。水の精霊、河童。人の子をさらっては自分の子とする姑獲鳥(うぶめ)。そして妖怪の総大将ぬらりひょん。3匹を先導するは怪しげな「妖怪コンサルタント」ジョン・レモン。さてこの一行、無事にバリへとたどり着き、観光も済ませ、いよいよ夢の移住は現実になるのか?そこに待ち受けていたものとは!?・・・・・

「涙と笑い花の大江戸情緒シリーズ」

「芝浜」「野ざらし」「富久」など、古典落語を題材にしたシリーズ
筮竹(ぜいちく)の幸兵衛がナビゲートする涙と笑いの人情話。皆さんご存じの古典落語ばかりを選んでポタラカが思いっきり笑わせます。えっ、原作とはずいぶん違うって?そりゃあ、そうです。ポタラカですから。

「ポタラカ世界名作童話の旅???」

ポタラカ最新シリーズ。当然相当グレードアップしてます。おもしろいです。「マッチ売りの少女」「赤ずきんちゃん」「羊と狼」などなど、だれもが知っている童話達が渾然一体となって、Potalaka流アレンジで生まれ変わる!中身は見てのお楽しみ。タイトルだけご紹介します。(ごめんなさい)

「マッチ売りの少女は赤ずきんちゃん」
「ヘンゼルとグレーテル人魚姫を探しに行く」
「ブレーメンのジャックと豆の木」